どっちかっつーと「フットボールの犬」は象徴的なタイトルで、この本の内容を表しているのは「欧羅巴 1999-2009」の方。筆者ヨーロッパのフットボールを取材した記録・・・といってもスペインとかイングランドは出てこない(あー、イタリアは出てきたな)。出てくるのはアイルランドとかスコットランドとかマルタとかDDR(東ドイツ)。あと各章の最後に登場人物の現在がしっかり書かれていてこれもまたいとおかし。
書店で立ち読みした際には、「今さら10年前のヨーロッパの話って言ってもねぇ・・・」な感があったので購入せず、図書館に入ってきたので借りたのだが、続けて読むとこれが面白い。有名どころがほとんど出てこないけど、あぁ、こんな日常がヨーロッパにあるのね、と感心する。
・・・一番おもしろかったのは「フェロー諸島にドイツ代表がやってきた!」編かな。ドイツとのあまりのサッカーを囲む景色の差。でもそれは日本よりもある意味でとても羨ましい日常になっていたりするところ。日本でも静岡ならこうなのかもしれませんが。
・・・一番悲しかったのは「大空位時代」ユーゴスラビア2002年・秋。もうこれだけで泣ける。ピクシー会長・サビチェビッチ監督の時代。の時二人の立場が逆だったら一体どうなっていたんだろう。ピクシーは今、名古屋で監督をやって・・・ないだろうなきっと。
今はねぇ、もう”プラーヴィ”は存在しないんだよ。それでも「セルビア」にフットボールは続いていくわけだけど(今年のワールドカップにも出るわけだし)、自分の好きなチームの勝敗に喜べる日常って、大切だなぁと思った、そんなピクシーにフットボールの楽しさを教えてもらってスタジアムに通ってる、グランパスファン(サポと言うほどではない)でした。
ところでヨーロッパは普通になったと嘆いてる作者はこのあとアフリカか南米にでも行くのかな?
ある意味日本版↓。
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