図書館に本を返しに行ったら新刊に置いてあったので喜んで借りる。歴史+モータスポーツ。こういうジャンルは嫌いじゃない、というか好き。
・・・ル・マンの歴史上で語られる「フォードvsフェラーリ」。モタスポ雑誌なんかのにわか知識では「フェラーリを買収できなかったフォードがプライドでル・マンでフェラーリを全力で倒しに行った」くらいだった。
そもそも、アメリカでNo.1でもないフォードが何でフェラーリを買収しようとしたの?という側面では全く考えなかったんだけど、なるほど、ヘンリー・フォード2世がヨーロッパにだいぶ染まっていたと。そして、「モータースポーツによるブランド向上」の始まりでもあると。
言われてみればこの頃にフォード・コスワースDFVの誕生とか、チーム・ロータスにおけるインディ500制覇などが絡むんですな。今のモータスポーツではF1が絶対的にNo.1の地位を(オンロード/ドライバーズ)的には占めているけど、この頃はフォーミュラ/スポーツカーが混然としていたんだなぁ、と感じた。F1ドライバーが別のカテゴリにヒョコヒョコと、今は絶対に出れないよな。90年代の頭(マネージャが台頭する前)まではなんとかあったのか。
1963:フォード、フェラーリ買収交渉
1964:フォード、ル・マンワークス参戦
1965:ロータス・フォード インディ500優勝
1966:フォード、ル・マン優勝
1967:フォード・コスワースDFVデビュー
・・・こうやって並べると、インディの功績と、ルマンでのヨーロッパの知名度をさらに高めるためのフォード・コスワースだったのかな?この辺の投資のおかげで、フォードは苦しみながらもGMみたいに潰れなかったのかなぁ。
本としてはアメリカの人が書いているあたり、「ノンフィクション」と言い切っているあたり、なかなかほかの本では無い視点で新鮮だった。そして本としては1966ル・マン制覇で終わっている-ふつう考えたら翌年のフェラーリのリベンジマッチまで行った方が盛り上がりそう-けど、これは初優勝以外にもうひとつ理由があったのが最後に分かった。
で、やっぱりブランディングが優先されるとマシンの熟成は置いてけぼりになるとか、エンジンは意外と過去のレースのを流用したりとか、80-90年代の日本勢にありそうな話がここにも出てくるのは何故なんだ。
言われてみれば、ル・マンの歴史書ってあんまり見ないなぁ。やっぱり洋書をあたるしかないのか?1967のフェラーリがすごい気になるんだが
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