エイドリアン・ニューウェイの本なら欲しいでしょ!と思っていたのだが、なんせ値段が高い(4800円+Tax ((ちなみにKindleで英語版は出ていて、それだと1500円、ちなみに日本語では電子版の発行予定は無いとのこと)) )。躊躇していたところに、図書館再開後の書籍一覧を見ていたら蔵書があることを知り、さっそく予約する。
借りると・・分厚い!655ページ!むしろ2週間で読めるのか、これ。というシロモノ。頑張って読みました(おかげでほかの本は読めませんでしたが)。
章構成としては
・on the grid
・March 83G
・March 86C
・March 881
・Williams FW14
・Williams FW16
・Williams FW18
・McLaren MP4-13
・McLaren MP4-20
・RedBull RB5
・Redbull RB6
・RedBull RB8
…というように、設計したマシンが章構成になっているものの、ほかの車(例えばレイトンハウスCG901とか、マクラーレンMP4/14とか)についても記載がある、というよりは粛々と年を追って書いている感じでした。
レイトンハウスでマーチ881を設計する前にインディカーで活躍していた、というのは知っていたんだけど、そのころの記載が本人の言葉で書いてあるのが新鮮。マリオ・アンドレッティとかボビー・レイホールとか(これはジャガー移籍騒ぎの時に聞いたことあったけど)と仕事したり、インディカーの設計をして、そのクルマがインディ500を制覇していたとかは知らなかった…
F1での活躍については、さすがに知っているので、GP Car Storyを読みながら(上記リストにあり発行されているクルマは881、FW14(B)、FW16、FW18、MP4-13…結構ありますね)。GP Car storyの一部にはニューウェイのインタビューもあるので本との相違点や共通点を探りながら読んでいきました。
881の成功から891、901の失敗は風洞にあったとか(何となく聞いていたけど、根本の理由が…)、ダブルディフューザーについては”上手に解釈した”と認めてみたり(でも自分が見つけてもやらないというプライドは書いている…ほかのところでは文章の抜け穴を見つけるのが好きだと書いているのに)、さすがにFW16の部分は書きっぷりが慎重になり、それは仕方ない事ですが、それでもクルマの弱点が分かって改良しようとしたけど間に合わなかった(FW16と16Bの変更点そのもの!)とか、本当にトラウマなんだろうな…と感じた。
本人のキャリアとしては、小さいチームで全体を見て成功と失敗⇒テクニカルの上司がいるところで活躍⇒テクニカル部分は完全にリーダーとなるがシステムまでは変えられない⇒チームの首脳陣となってイチから体制を確立…といった感じでステップアップしていて、これだとレッドブルからの移籍はなさそうだ(パトリック・ヘッドが移籍しないように)。あと、最初の頃はクルマ運転するのはあまり興味がなかったのに最終的にはルマン24時間でてみたり、2回離婚してるのも知らんかった…
という訳で、分厚いだけいろいろなエピソードが入っているけど、どれも面白くて読める本でした。
ちなみに彼のデザインの中で個人的に一番好きなのは、本人的には満足度が低そうでしたが、レイトンハウスCG901です。レイトンブルーとBPのグリーンと、間に入ったCARGLASSのロゴのバランスと、とんがった形状の車のデザインがすごくマッチしていてお気に入り。プラモ、買ったんだけどラジエーターの部分の段差がひどくてそこでやめちゃったんだよなぁ・・・
コメント