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オシム 終わりなき闘い を読む

図書館で借りて読みました。

この本の作者、ま、一般的には「オシムの言葉」の作者なんだろうけど、実はかなり昔から読んでいて、「誇り」のハードカバー版を名古屋のロフトで’98に買い ((文庫化されるにあたりEURO2000のピクシー奮戦記が追記されているので、ただの保存版でしかないけど捨てずに持ってます)) 、「悪者見参」も読み、「オシムの言葉」は発売日に本屋をかけずりまくった ((最終的には今は無きbk1で買った記憶が・・・))。「争うのは本意なられど」やトリニータの社長さんの本も読んだ。基本的に濃い本で、伝聞を否定してあくまで自分で見て聞いた話で綴っていく・・・

で、今回の題材は、日本代表監督を辞任したあと、ボスニア・ヘルツェゴビナに戻ってからの話。ユーゴスラビアが分裂した後も、ボスニア・ヘルツェゴビナは地域と民族が混在しすぎて、 ((ユーゴスラビア設立時にこの地域だけは民族の縛りでなく地域で作ったという話は今回初めて聞いた。本当に難しい・・・)) 一つの国家に3つの民族が入っているから、サッカー協会も明確な会長を決められない・・・と、FIFAのルールに反しているのでワールドカップの予選に出られないからなんとかしなさい!という局面でのオシムの活躍、の後の話。後の話になっているのは、正常化交渉が終わってから出向いているから。実際に交渉に当たった人物に直接インタビューしてたりするのは流石である。後の話、なので純粋なサッカーの話題、つまり最終予選やワールドカップ初戦にあたってのオシムさんの心情が見えてくる。

オシムという人は各民族からも尊敬の念を受けているという事が分かるし、ワールドカップに出場することで民族間の融和ができるかも、という期待はあるものの、実際には代表チームの多くのメンバーが一つの民族に固まっていたり(完全に一つではないしメンバーとしては機能しているものの)、サッカー協会を正常化するために動いていた各民族のトップはまた民族を強調する動きに出ていて、というか民族を重視して各民族にポストを分割するとそれは余計に対立を呼ぶという、非常に難しい話であることが分かる。

望みとして書かれているのはデモのテーマが民族ではなく貧困に対して政府に不満を感じている、という所だろうか。

個人的には、さすがに体調的にもキツくなってきたオシムさんが穏やかに暮らしていけて、その間に難しい問題が少しでも進んでいきますように・・・

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