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WBC 侍ジャパンの死角 を読む

2017年のWBC特集を読んで、ふと2013年のWBCが気になり、調べてみたらあったので借りてみた。書いたのはオリックスのコーチを首になった直後の高代走塁・守備コーチ。

で、高代コーチ、2009年の時にも本を書いていて、確か読んだのだが、いつも一人で飲んでいた気がする…で、2013年もやっぱり飲んでいる…のだが、今回は一人ではなく、山本浩二監督や梨田コーチなどと飲んでいた、ようだ。

これは2009年の際は、原監督からの一本釣り的なスカウトで、おそらくジャイアンツ中心のコーチスタッフから少し遠いところにいた所が、2013年の場合は、(知らなかったのだけど)山本監督が広島で監督をしていた時代のコーチだった、という事で監督との距離感が近くて、こういう事態になったんだろう、と思う。

ところで2013年のWBCといえば、準決勝の”やらかし”、ダブルスチール失敗、である。しかも走塁・守備コーチなんだから高代コーチの役割は相当大きいように感じる…というか、冷静に読んでみると、この人の”割合”、相当高かったのでは無いか?と思えてくる。

  • 監督にダブルスチールやると言っている
  • 1塁コーチにも、選手にも
  • ところでダブルスチールのサインはない
  • チーム始動時、「必要ですか」と言われたけど「いらない」と判断した。
  • サインが出たときに、何があっても走るのか、必要に応じて止めるのか、徹底できていない

…ダブルスチールをしたきっかけは、ピッチャーが揺さぶられると苦手だから…という事だから割と思いつき。ではあるが上記のように準備が不十分。まぁ、WBC・代表チームの準備期間とかあまり無いから、割り切りは大事だと思うのだけど、ちょっとリスクが高い気がする。

あと、この本には、”提言”として、色々書かれている。こんな感じ。

  • 「WBCの監督は前年の日本シリーズ優勝監督がやるべき」
  • 「GMを置いて」
  • 「統一球考えろ」
  • 「国際試合に向く/向かない選手を調べておくべき」
  • 「スケジュールの交渉を」
  • 「NPBはもっとWBC側と交渉しろ」

ふむ。で、これ、2017年に反映されたのか否か。GM、監督選定については、”常任監督”を置いてそれなりに期間を与えて選手の選定をする、という方法に出た。まぁ、その方法論はありかなぁ、と思うのですが結局なんで監督経験のない小久保だったのだろう…そしてスケジュール。2013年の高代コーチも「準決勝前の2試合は余計」と言っているし、2017年も「2試合は多い」という話を聞いた。メジャーリーガーの参加も含め、この辺はあまり改善されていない気がする。今回だって決勝ラウンドの入替可能、といっていたのに使っていない。この辺、1996のアトランタ五輪におけるサッカーオリンピック代表のオーバーエージ理論 ((今までのチームで勝ちに行く、という雰囲気)) と同じ気がして、やっぱり野球日本代表はサッカーのそれより色々と遅れている気がしてならない。

結局今回も日本ラウンド通過後の1戦目に負けているから、利益度外視でガチに勝ちに行くなら、2次ラウンドからアメリカに乗り込む(そして環境に慣れていく)というのもあり、では無いだろうか。

さて高代コーチ。この本の頭ではオリックスのヘッドコーチを首になって、どうしようか…という所から始まっていますが、今は現役時代から仲の良かった金本監督の下、タイガースのヘッドコーチ格。変われば変わるものです。

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さて。2017年のWBCはどんな本が出てくるのであろうか。

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