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戦前日本SF映画創世記 ~ゴジラは何でできているか~

ゴジラは何でできているか?あ、水爆実験でしょ?(ストーリー派)。あ、ゴムで作ったんだよね。なんでも1体目は100kgあって動かなかったとか(着ぐるみ派。俺どっちかというとこっち ((この項、記憶だけで書いてます)) )、などという意見もあるかと思いますが、この本は「いきなりゴジラが誕生する訳は無い。それまでのバックボーンがあったはずだ」という、かなり真面目な研究本。

そもそもこの本を知ったのは、RSS登録している「録画地獄」さんのエントリ。ちょっと気になっていたところ、図書館に入ったので借りることができた。

なんとなくイメージとしては、「ゴジラが生まれるためには○○という技術が必要で、その技術が使われた映画としては・・・」みたいな論調になると思っていた、んだが、読んでみて分かったのは、SF映画という「お約束」をどうやって築いていったか、という事が必要であるということ。映画が日本に輸入されたときにそもそも映写機の方を向いて座ったとか、スクリーンに映った鴨を「鴨でござい」と説明する必要がある、など、そう考えればスクリーンに広がっている世界を、そこだけの世界と認識する必要が映画の大前提にある訳で、本文中にもあったが、「観客の想像」を超越してしまうと、それは世間に認められないのだ。

ではどうすれば観客の想像から少し超えられるか ((こうやって書くと藤子・F・不二雄のSF=少し不思議という定義は実に正しい)) 。それはSF=Sienceが一般にも普及すること、という事のようだ。その意味では、あまり結論めいたことは書かれていないが戦中なのかな。

SFの始まりとゴジラの素はともかく、映画の勃興期はかなり面白そうではある。夜中に見たら怖くなりそうだけど・・・それにフィルムが無くてスチールとキネマ旬報(この雑誌の歴史が異様に古いという事を今回初めて知った)の筋書で判断するという、なんだかとても素敵な話。こういう歴史を掘り起こす仕事は楽しそう。

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