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最弱球団 高橋ユニオンズ青春記 を読む

いつぞや立ち読みしていた「野球小僧」にこれ関連の記事 ((確か最終戦の話)) が載っていて、書籍が出るという話もあったので、引っかかってはいたのだが、図書館に入っていたのを見つけて予約→借りる。しかし年末年始のバタバタで貸出期限が過ぎてしまった・・・急がなきゃ!と思って読み始めたらこれがまた面白い。結局通勤経路×3で読了。

日本のプロ野球団の変遷図を見ていると ((僕が一番必死に見ていたころはまだ近鉄も阪急も南海も大洋もあった)) 必ずひっかかる「高橋」という個人名。更には1年だけ「トンボ」。小学生の頃は「何これ?」だったがそのうちどこからか知識を仕入れて「弱いチーム」「プロ野球ニュースの佐々木さんがいたチーム」という印象だった。

読んでみると、これ、オーナー=高橋氏=高橋龍太郎氏の印象が強くなった。無理やりパリーグの意向でオーナーにさせられ、良い選手を出すと言ったリーグは約束を守らず、なので当然チームは弱いが、維持するためにはお金が必要なので自分の家を売り払ってまで運営していたのに、最後はパリーグの意向で球団を潰される・・・これはひどい。

今回初めて知ったのだが、高橋龍太郎氏、実は第3代日本サッカー協会の会長でサッカー殿堂に入っている。サッカー殿堂、行ったんだけど気づかなかった。気になって調べてみたらサッカー協会会長を辞任したのと高橋ユニオンズを立ち上げた時期がほぼ同じだったんだが、これは、関係性があるのだろうか。

ところでこのチーム、1年目はまぁまぁ(最下位でなかった)のに、2年目でダメになったのは、実力もさることながら、シーズン途中の有力選手の離脱でチームがまとまらなくなったからな気がしてきた。その離脱の理由が凄い。そしてやる気がなくなったという監督が次のシーズンでもしっかり球団に残っているところが訳分からん。野球への愛情があるオーナーがいて、お金もあっても、それの使い道が分かる人がいないとチームは強くならないんだなぁ、楽天は無理にでも野村監督を持ってきて正解だったんだなぁ、という気がしてきた。

それにしてもプロ野球チームは、チーム間、リーグ、球界全体の利益を考えた行動が少なすぎる(2004年の時も、2011年の横浜買収劇のときも)気がする。ほかのチームを援助したら2部降格なんて危機があるサッカーに比べ、プロ野球は絶対に2部降格がないんだから、リーグ戦を盛り上げるためにある程度の戦力均衡が必要な気がするんですが、なんでなんだろう?

という感じで、高橋ユニオンズの感想というよりそれを取り巻く状況を考える事が多かったのだが、この期間に選手だった人たちの60年近くたってからの想いもたくさん載っていて、3年間でこれだけ濃い(3年どころか3週間の人も!)のだから、プロ野球の世界には一流選手以外にもこういうエピソードが多分たくさんあるのだろうなぁ。

最弱球団 高橋ユニオンズ青春記

というわけで作者様、次は西日本パイレーツでお願いします。と思ったら次はクラウンライターライオンズがテーマらしい。何その斜め上。確かにそこも謎な所だ

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