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『「ウルトラマン」の飛翔』を読む

確か、前作の『「ウルトラQ」の誕生』も図書館で借りたんだけど、こちらも図書館に入っていたので、借りることにしました。

この本、本文には図とか全くなくて(ウルトラマンの本なのに) ((読み返したら1個だけあった。”ベムラー”のデザイン画))、ひたすら資料や過去のインタビューから、いつ、どんな事が、「誰が」「どういう意図で」そうしたか、を推察していく本。「まえがき」にあるように、”そのとき何があったのか”を”推察”する事が目的。だから図とか要らないんです、たぶん。 ((前回のウルトラQも同様のフォーマットです))

“そのとき何があったのか”がウルトラマンで気になるのは個人的には2点。ひとつは、あのデザインが如何にして生まれたのか、もうひとつは、どうして終わってしまったのか、と言った所か。

前者については、”デザイン”を広義に考えると発見があった。あの形はカラス天狗→西洋の騎士→よりメタリックに・シンプルに…を突き進んでいって出来上がったデザインだということなのだが、それ以外にも、どうして地球に来たのか、どういう戦い方をするのか…という事は意外と決まっていなくて(役回り的には怪獣と戦う相手、でしかないはずで)、その辺の産みの苦しみが伝わってきた。確かに「ウルトラ作戦第1号」は制作No.8でかなり遅い(冷静に考えると1クールも後半だ)から、何個かパイロット的に脚本を作り、撮影を進めていく中で、「ウルトラマンが地球にいる必然」がスタッフの中でなんとなくできて、それをまとめてあのストーリーができたのだろう、それとは別に「1話なんだから、名のある脚本家に書いてもらおう」と思ったら見事に裏目にでるのは大人の事情というか…(脚本の連名とかまったく考えたことありませんでした)

逆に最後の、「どうして終わってしまったのか」については…ちょっと追及が弱いかな、という感じがする。多分、制作スケジュールが逝っちゃってて満足に記録も取れなかったのだろう、記録で史実を再構成しようとするこの本のストーリーでは資料が無いのは致命的で、所謂「定説」にすがってしまった感がある。そしてもう一つの「どうやって(ストーリー上)この終わり方にしたのか」もちょっと辛い。ひとつ分かったのは、円谷一+金城哲夫が一旦考えていた結末は最終版と全く異なっていた、という事。これも「脚本は準備稿と決定稿が存在し…」の文章を深く読み込んでいなかった自分の恥ずかしさがわかるだけか!

そんな感じで、「定説」として認識している所が、ちょっと視点を変えることで、別の考えたができる、という事が分かることから、一読の価値はあるかと思います。「セブン」、期待しています。

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いわゆるムック的なものを求めるならば、断然↓です。濃い。マン篇も濃いですが、セブン篇は信じられないくらい濃い。

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